AIチャットボット(会話型AI)
「ChatGPT」の登場以降、チャット形式のAIツールが続々と登場して大きな存在感を示しています。
自然言語でさまざまな指示を出して対応して貰えるこうしたAIツールはAIチャットボットとも汎用型AIとも呼ばれますが、本稿では会話型AIの名称で紹介させて頂きます。
会話型AIという呼称の良し悪しや定義には議論もあるのですが、便宜的に会話型AIと呼んでいますと理解頂けるとありがたいです。
会話型AIは汎用性が高く、AIツールの中心的な存在でもあります。
IT大手企業やAIスタートアップがこの分野で激しい競争を繰り広げ、優れたツールを送り出しています。
今回は代表的な会話型AIツール10選を紹介します。
尚、ChatGPTなどの記事でしばしば専門用語の「大規模言語モデル(LLM)」という言葉が出てきますが、これはChatGPTなどのツールを支える基盤となる技術モデルの事で、AIツールとは別物として区別しています。
大規模言語モデル(LLM)は別の機会に改めて紹介しますので、よろしくお願いします。
ChatGPT AIツールの象徴的存在
■名称 ChatGPT
■種別 会話型AIツール(チャットボット)
■開発 OpenAI
■公開 2022年11月正式公開
■HP https://chatgpt.com/
まず何といってもChatGPTを外す訳には行きません。
ChatGPTはオープンAIが開発した会話型AIであり、現在のAI新時代の扉を開けた象徴的ツールでもあります。
2022年11月にChatGPT-3.5が正式公開(試験版は9月に公開)されると革新的なツールとして瞬く間に世界中に広まりました。
その後ChatGPT-4、4V、4Turboなど様々なバージョンが展開されましたが、2024年8月16日時点で展開されているのは以下のバージョンになります(上が上位バージョン)。
・ChatGPT-4o
・ChatGPT-4mini
・ChatGPT-4
またChatGPTには無料プランと有料プランであるChatGPTプラス(20ドル/月)というプランがあります。
現時点では無料プランでも3つのバージョンを利用することができます(ChatGPT-4oの利用回数などには制限があります)。
スマホ用のアプリもiPhone、アンドロイド用があるので簡単に利用できます。
Gemini グーグルが展開する強力AIツール
■名称 Gemini
■開発 グーグル
■公開 2023年12月公開
■HP https://gemini.google.com/
Geminiはグーグルが開発した会話型AIツールです。
ChatGPTの爆発的な成功を受けて、グーグルは当初「Bard」という会話型AIツールを展開しましたが、2023年12月にGemini1.0を発表し、2024年2月からはGeminiに完全移行しています。
2024年8月16日時点で展開されているのは以下のバージョンになります(上が上位バージョン)。
・Gemini1.0 Urtra
・Gemini1.5 Pro(Experimental)
・Gemini1.0 Nano
Geminiには20ドル/月の有料プランがあり、最上位モデルのGemini1.0 Urtraは有料プランユーザーのみが利用できます。
但し無料プランでも使えるGemini Proが先に1.5へとバージョンアップしたことで現時点では最も優れたモデルを誰もが使える状況になっています。
NotebookLM 機密管理や回答精度に拘るグーグルの特化型ツール
■名称 NotebookLM
■開発 グーグル
■HP https://notebooklm.google/
NotebookLMは、グーグルが展開する機密データの管理やハルシネーション問題に対応した会話型AIツールです。
実際にはグーグルのAI「Gemini」を実装しており、Geminiの用途特化ツールと考えた方が良いかも知れません。
会話型AIツールには、質問に対してAIがウソの回答をしてしまうハルシネーションという問題があります。
特にビジネス用途で使う場合にウソを回答されると大きな問題になります。
NotebookLMではグーグルドライブのファイルやPDF、URLなどを50個(実用ベースでは49個)までアップロードや登録をする事ができ、必要な情報をその中から抽出して回答を生成します。
そのためハルシネーションを大幅に減少させる事ができます。
ビジネスや研究などの用途で使うには非常に優れたツールと言えます。
Claude 現時点で最強の声も上がる会話型AIツール
■名称 Claude
■開発 アンスロピック
■HP https://claude.ai/
Claudeは米国のAIスタートアップ企業、アンスロピックが開発した会話型AIです。
その能力の高さが話題となり、AIフォロワーの中ではChatGPTやGeminiからClaudeへと乗り換える人が続出しました。
現時点では最強との声も上がる会話型AIツールです。
2024年8月18日時点では以下のモデルが展開されています(上段が上位モデル)。
・Claude3 Opus
・Claude3.5 Sonnet
・Claude3 Haiku
最上位モデルのOpusは有料プランのユーザーが利用可能です。
但し中位モデルのSonnetが先に3.5へとバージョンアップした事で最も優れたツールが無料で使えるねじれ現象がここでも起きています。
Copilot マイクロソフトが展開するAI機能ブランド
■名称 Copilot
■開発 マイクロソフト
■HP https://www.bing.com/chat
Copilotはマイクロソフトが展開するAIサービスのブランド名称です。
技術的にはオープンAIのChatGPTをベースにしています。
マイクロソフトの検索エンジンである「Bing」と組み合わせて「Bing Copilot」の形で公開されました。
ChatGPTの有料機能だったChatGPT-4が無料で使える事でも話題になりました。
その後、マイクロソフトが誇る業務ツールである「Office」にCopilot機能を追加するなど独自の拡がりを見せています。
Bing Copilotの利用は簡単で、BingのサイトからCopilotのタグを押すと会話型AIツールが立ち上がります。
Grok イーロン・マスク氏が世に送り出したAIツール
■名称 Grok
■開発 xAI
■HP https://x.ai/
Grokはイーロン・マスク氏が設立したxAI社が開発した会話型AIツールです。
グロック社が展開する会話型AIのGroqとは全くの別物です。
2024年8月18日時点では以下のモデルが展開されています(上段が上位モデル)。
・Grok-2
・Grok-2 mini
X(旧ツイッター)の有料プラン「プレミアム」「プレミアムプラス」に登録するとXでGrok-2のβ版の機能が使えます。
Groq 高速回答が魅力の会話型AI
■名称 Groq
■開発 Groq inc
■HP https://groq.com/
Groqは元グーグルのエンジニアだったジョナサン・ロス氏が設立したAIスタートアップ企業、グロック社が開発した会話型AIツールです。
イーロン・マスク氏のxAI社が開発したGrokとは全くの別モノです。
質問への回答の速度が早いことで知られています。
独自開発したLPUという処理エンジンによって高速での回答を実現しています。
実際、ChatGPTやGeminiと比較しても格段に早いです。
無料で使う事ができます。
Poe 比較AIサイトのパイオニア的ツール
■名称 Poe(ポー)
■開発 Quora
■HP https://poe.com/
PoeはChatGPT、GPT-4o、Claude 3 Opus、DALLE 3など主要AIツールを並列利用できるポータルサイトです。
無料プランでも各ツールを利用できます。
但し無料プランの場合は、ChatGPT-4やClaude3などは1日の利用回数に制限があります。
文心一言 中国発の会話型AIツール
■名称 文心一言(アーニーボット)
■開発 百度(Baidu)
■HP https://yiyan.baidu.com/
文心一言(アーニーボット)は中国の代表的検索エンジン「Baidu」を手掛ける百度からリリースされた会話型AIです。
中国版ChatGPTとして海外でも注目を集めました。
中国のIT大手企業でありながら近年はアリババやテンセントに差をつけられていた感のあった百度ですが、文心一言の成功によって中国国内での存在感を増してきています。
天秤AI by GMP
■名称 天秤AI by GMO
■開発 GMO教えてAI株式会社
■HP https://tenbin.ai/
天秤AIは日本のGMOグループが展開する会話型AIの統合プラットフォームです。
ChatGPTを始めとする有力AIツールの中からいくつかを選んで同じ質問に同時に回答させる事ができます。
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