AI新時代の注目企業

ChatGPTの登場によって新時代を迎えたAI市場は成長を続けています。
グーグルやマイクロソフトといったビッグテック企業がAI開発競争に巨費を投じるようになり、AI向け半導体の覇権を握るエヌビディアが一時は時価総額で首位に躍り出るほどの大躍進を遂げました。
AI市場には多くの資金が集まる様になり、有力な企業が続々台頭してきています。
中でも注目を集める企業の1つがパランティア・テクノロジーズ(PLTR、以下パランティア)です。
基幹AIの開発や中核部品の開発では無く、企業や組織がAIを事業に活かすための支援ツールを開発し、高い支持を得ています。
株価もこの1年程の間に大幅な上昇を見せており、米国株式市場でも注目銘柄となっています。
今回はパランティアについて解説します。
パランティア(PLTR)とは? 企業概要をわかりやすく解説
パランティアテクノロジーズ(Palantir Technologies、PLTR)は、AI技術を活用したビッグデータ解析プラットフォームを提供する企業です。
2003年にペイパル創業者のピーター・ティール氏と哲学者の経歴を持つアレックス・カープ氏らによって設立されました。
本社は米国コロラド州のデンバーにあります。
パランティアは国家安全保障や犯罪防止といった社会課題の解決に貢献することを使命としています。
特に2001年に発生した9.11同時多発テロ以降のテロ対策ニーズに応えるため、政府機関向けに高度なビッグデータ解析ソフトウェアの構築を始めたことで事業基盤を確立しました。
こうした経緯もあり当初は主に政府系機関を顧客としていましたが、現在は民間分野にも広く進出しています。
2024年11月26日にはニューヨーク証券取引所(NYSE)からIT企業の多いNASDAQ市場への移行を実施し、IT企業としての存在感を強めています。
名 称 パランティアテクノロジーズ
英語名 Palantir Technologies)
略 号 PLTR
市 場 NASDAQ
株 価 $117.39(2025年2月12日)
設立日 2003年5月6日
本 部 米国コロラド州 デンバー
CEO アレックス・カープ (2004年–)
創設者 ピーター・ティール
アレックス・カープ
ジョー・ロンズデール
スティーヴン・コーエン
ネイサン・ゲティングス
パランティアの主な事業と製品
パランティアは2008年に最初のソフトウェアプラットフォーム「Gotham」をリリースしました。
Gothamは米国諜報機関に採用され、米連邦政府機関や同盟国の政府機関にも広がって行きました。
その後は民間商業分野への展開を強化し、金融やヘルスケア、運輸、エネルギーなど多様な業界に事業を展開して行きます。
2016年には商業課題に対処する2つ目のプラットフォーム「Foundry」を投入。
2021年にはクラウド環境でのソフトウェア運用を支援する「Apollo」
2023年にはAI活用を支援する「AIP」も展開を開始しました。
2023年末時点には顧客数が497社(団体)に上っています。
2024年9月にはS&P500指数に組み入れられました。
現在のパランティアの主力製品は以下の通りです。
Foundry(ファウンドリー):企業のデータ管理とAI活用を支援するプラットフォームです。
Gotham(ゴッサム):政府機関向けのデータ分析プラットフォームです。
Apollo(アポロ):ソフトウェアの継続的デリバリーを支援するツールです。
これらの製品はセキュリティ、物流、医療、製造など幅広い分野で活用されています。
独自のデータ統合と解析技術により、様々な業界のニーズに応じたAIアプリケーションを展開できる点がパランティアの魅力となっています。
アレックス・カープCEOとは?
パランティアのCEOを務めるアレックス・カープ(アレクサンダー・キャドモン・カープ)氏は、哲学者の道を志した経歴を持つIT業界では異色の経営者です。
カーブ氏は大学卒業後に進んだスタンフォード・ロースクールでピーター・ティール氏と知り合います。
カーブ氏はロースクールを修了すると、哲学の研究者への道を志しますが、ティール氏と共にパランティアを創業する事になりました。
2024年第3四半期決算で株価が急騰!
パランティアは2024年第3四半期決算で市場の予想を上回る好業績を発表し、株価が20%以上も急騰しました。
売上高は前年同期比30%増の7億2600万ドルとなり、米国市場での売上高: 前年同期比44%増となりました。
好調な業績を受け、第4四半期の営業利益は3億200万ドルに達する予定で、年間キャッシュフローは10億ドルを超える見込みとなりました。
パランティアの強み
パランティアの強みとしては以下の点が挙げられます。
・政府機関との強固な関係
・ AIとデータ解析市場における中心的な地位
・ FoundryやGothamなどの製品を通じた、高度なデータ解析能力
・ 米国市場での収益増加
・ 独自のデータ統合・解析によるAI展開能力
・ データセキュリティとプライバシー保護を重視
パランティアの弱み
パランティアの弱みとしては以下の項目が挙げられます。
・株式報酬(SBC):長年の課題であり、今後も増加する可能性
・高いバリュエーション:実績PERは140倍を超えています
・製品の複雑さ:顧客が最大限に活用するためには熟練したエンジニアのサポートが不可欠
パランティアの将来性
AIとデータ解析の市場は、年平均で30%以上の成長が予想されている有望市場であり、パランティアは今後も成長を続けると予想されます。
2024年第4四半期の収益は7億6600万ドルから7億7000万ドルと予測されており、調整後の営業利益も好調です。
【結論】パランティアは買い時なのか?
パランティアはデータ解析とAIの分野で独自の強みを持つ企業であり、今後の成長が期待されます。
ただし株式報酬やバリュエーションの高さには注意が必要です。
バリュエーションは相対的なものであり、AIという強力なテーマと競争優位性を持つユニークな製品、大規模な市場が現在のパランティアの株価を支えています。
今後の注目ポイントは、以下の通りです。
株式報酬(SBC)の動向
米国市場における更なる成長
AI分野での新たな技術革新
これらの要素を踏まえ、パランティアの今後の動向を注視していきましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
※本記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。
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