AI界に衝撃‼️「DeepSeek」とは⁉️背景を解説します

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2025年1月の下旬、突如として「DeepSeekショック」という言葉がIT界隈を超えて日米の投資市場で拡散し、騒がれる事態になりました。
彗星の如く現れた中国発のAI「DeepSeek」が先行するAI企業を脅かし米国のAIビジネスモデルを揺るがしかねない存在になり得るというのです。
実際1月27日にはエヌビディアの株価が前週末終値から17%も下落し、1日で約90兆円を失う事となり、この要因が正に「DeepSeekショック」だと指摘されました。
DeepSeekとはどんなAIで、何が凄いのでしょうか。
欧米のAI開発に取ってそれほど脅威なのでしょうか。
DeepSeekについて詳しく紹介します。

ChatGPT-4oに匹敵するAIモデルの登場

DeepSeekは中国のDeepSeek(深度求索)社が開発するAIモデルです。
DeepSeek(深度求索)社は2023年に設立された中国発のAIスタートアップ企業で、主に大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる基幹的なAIモデルの開発を行っています。
AI界では無名に近い存在でしたが、2024年12月26日にDeepSeek V3が公開されると、各種ベンチマークでオープンAIの「ChatGPT-4o」に匹敵する値をマークしていると話題になりました。
DeepSeek-V3は個人は無料で利用する事ができます。

o1レベルのモデル「DeepSeek-R1」

翌2025年1月には複雑な推論や高度な数学的問題を解く能力に優れたモデル「DeepSeek-R1」を公開します。
DeepSeek-R1はオープンAIの高度な推論強化AIモデル「o1」と互角以上の能力を持つと発表されました。
DeepSeek-R1はオープンソースとして公開されいぇおり、企業などが改良して再配布などを自由に行える点も大きな魅力です。
API利用料もo1の約27分の1という圧倒的な安さを誇っています。
非常に高い費用対効果はオープンAIを始めとする欧米のAIサービスにとっては大きな脅威です。
DeepSeekはGoogleアカウントを使って下記のログイン(サインイン)リンクからサインインし、利用する事が可能です。

DeepSeepログイン

圧倒的に低い開発コスト

性能や利用料と共に大きな衝撃を与えたのが常識を覆す圧倒的な開発コストの安さです。
DeepSeek-V3の開発トレーニング費用は約557万ドル(約8億6300万円)と報じられていますが、一般的な大規模言語モデルの開発には数億ドル必要とされている中で、信じられない程の低コストとなります。
オープンAIやグーグル、アンスロピックなどの先行する米国AI企業は月20ドル〜数百ドルという有料プランを設定して収益を得ようとしていますが、そのビジネスモデルが崩れるおそれがあります。
それ以上に、巨額の開発費用を投入する必然性が無くなる事で資金が集まらなくなり、開発企業の経営を揺るがしかねません。
またDeepSeekの開発にはエヌビディアの型落ちのGPU(H800)を使っていると発表されました。
高額で高性能なエヌビディア製GPUの需要が減るのでは無いかとの憶測がエヌビディアの株価下落を引き起こす要因となったのです。
※但しこの点には疑念もあります。

DeepSeek(深度求索)社

DeepSeek(深度求索)社は2023年に梁文鋒((Liang wen feng/リャンウェンフォン)氏によって2023年に設立されたAIスタートアップ企業です*中国浙江省の杭州市に本社があります。

*一部報道では元ByteDanceのAI研究者・趙永剛氏が創業との記述もありますが、本記事では梁氏が創業と記述させて頂きます。

中国の天才「梁文峰」

一躍時の人となった梁文峰氏は1985年生れの40歳。
浙江大学で情報電子工学を専攻した後、修士課程(大学院)に進んだと報じられています。
浙江大学は清華大学、北京大学に次ぐ中国三大校の一角を占める名門大学です。
梁氏は同僚と共にクォンツ運用の投資会社ヘッジファンド「幻方量化(High-Flyer Capital Management)」を設立。
複雑な数式モデルを駆使して資金を運用するクォンツ投資運用企業として急成長を果たします。
一時は運用資産の大幅減額にも直面しましたが立て直し国内大手のクォンツ運用会社となっています。
2019年には幻方量化にAI部門を創設。これを独立させる形でDeepSeek(深度求索)を設立しています。
梁氏は中国AI業界の寵児と注目され、李強首相の出席する会にも招待されています。
オープンAIのサム・アルトマンCEOと共にAIを象徴する存在になっていくのかも知れません。

本当は巨額の開発コストかも⁉️

さて常識外れの低コストで開発されたDeepSeekのAIモデル。論文も発表されており、いかにして効率化を図っているかは理解できる事も多いのですが、それでも本当にこのコストで開発できるのかについては疑問を呈する声もあります。
DeepSeekのAIモデルは型落ちのGPU「H800」で開発したとされていますが、同社が5万台の「A100(H800より後期のGPU)」を購入しているとの報道もあります。
更には実はA100では無く、現主力モデルの「H100」なのでは無いかとの指摘もあります。
現在米国は先端半導体の中国への輸出を厳しく制限しており、H100を大量保有しているとは言えない国際情勢もあるので、あながち無視できる推測では無いかも知れません。
仮に5万台のH100を持っているとなると、H100は1台500万円以上ともされていますので単純に2500億円は掛かっている事になります。
運用会社の幻方量化が保有している形にするなど経費の操作はできるので、正直に受け取るべきかどうかは難しい所ですね。

エヌビディアへの影響は限定的⁉️

とはいえ欧米の最新AIモデルに匹敵するDeepSeekのAIモデルが非常に安く、しかもオープンソースで利用できる事も事実です。
欧米のAIトップ企業が今後の脅威として認識している事は間違いありません。
但しDeepSeekには確かに高い開発力がありますが、今後の開発競争においては高性能GPU(またはAIチップ)の確保が大きな課題になると予測されています。
AI向け半導体の開発も進化を続けていますが、現状こ次期半導体の開発では米国のエヌビディアが抜けています。
一方で米国の半導体輸出規制はここに来て一段と厳しくなっています。
オープンAIなどが更に高性能なAIを開発する中で、DeepSeekが次世代GPUの「Blackwell B200」を大量に確保するのは相当に難しいでしょう。
中国国内での半導体開発も進んでいますが、高精度な先端半導体を大量生産できるようになるには相当な年数が必要でしょう。
そう考えると半導体⇒エヌビディアへの影響は需要としては少ないと考えた方が妥当でしょう。

まとめ

これまで欧米企業が圧倒的優位に立っていた大規模言語モデル開発の分野で中国勢が本格的な対抗馬として台頭してきた事は、ビジネスの面でも安全保障の面でも重要な転換点です。\
またDeepSeekの様な国際的にはほぼ無名なスタートアップ企業がいきなりトップシーンに躍り出るような状況はAI市場以外ではなかなか見られません。\
多くの資金が流れ込み急成長する市場ならではの現象と言えそうです。\
今後もAIスタートアップが

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