グーグルが会話型AIツール「Bard」の大型アップデートを実施。新機能を解説します。

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グーグルの新発表

2023年7月13日、グーグルが自身の会話型AIサービス「Bard(バード)」の大型アップデートを発表しました。
Bardについては5月にも日本語、韓国語への対応などを含むアップデートがありましたが、7月の発表はそれを上回る大規模なものと言えます。
そこで今回はBardのアップデートによって実装される新しい機能について紹介する事にします。

Bardとは⁉

Bardはグーグルが開発し、2023年3月21日に米国と英国で提供が開始された会話型AIです。
誤解される事も多いのですが、「Bard」とは鳥(Bird)ではなく詩人(Bard)をさす言葉になります。
5月10日にはBardの対応言語に英語に加えて日本語と韓国語が追加され、また180を超える国や地域でBardを利用できるようになりました。
5月15日には独自の大規模言語モデルの進展が反映されて要約機能が向上しています。
但し2023年7月の時点でもBardは試験運用中のサービスという位置づけになっています。

Bardの新機能

7月13日に発表されたBardのアップデートによって追加されたサービスと機能は以下の通りです。

・40以上の言語に対応
・音声読み上げ機能
・対応コードの拡大
・会話の保存
・プロンプトで画像を使用(英語のみ)
・回答を素早く調整(英語のみ対応)

40以上の言語に対応

Bardはこれまで英語、日本語、韓国語の3ヶ国語に対応してきましたが、今回のアップデートでアラビア語、中国語、ドイツ語、ヒンディー語、スペイン語を含む40以上の言語で利用ができるようになりました。
使用者人口の多い言語がほぼ網羅された事でBardのグローバルな展開が一気に広がる事になります。
グーグルはBardの専門家や各国の規制当局と積極的に連携して多言語対応を進めていくとしています。

音声読み上げ機能

音声読み上げ機能の実装によってBardの回答を音声で聞くことができます。
指示する内容(プロンプト)を入力し、サウンドアイコンをクリックするだけで音声読み上げ機能が発動します。
例えば、英語やスペイン語など新しい言語を学習する時にBardに単語の発音を尋ねると、正しい発音を音声で聞くことができます。
あるいは詩や台詞などをBardに入力し音声で聞くことで、より深い理解や表現を得ることが期待できます。

会話の保存

Bardとの会話の内容を保存し、後で参照する事ができます。
Bardとの会話を始めるとサイドバーに最近の会話を取り出せるオプションが表示されます。
例えばBardに夏の音楽フェスの比較を尋ねた場合、後でその回答を確認する事ができます。
会話の内容には任意のタイトルを付ける事ができ、後でタイトルを変更する事もできます。

対応コードの拡大

Bardはコーディングタスクをサポートする機能を実装しています。
これまではPythonというプログラムコードを生成して、生成したコードをグーグルの提供するサービス(Google Colab)に出力して実行させる事ができました。
今回はPythonコードをGoogle Colabに加えてレプリッツ(Replit)という環境にも出力できるようになりました。

回答の共有

Bardとの会話、あるいはその一部を他の人と共有することができます。
例えばBardに問い掛ける事で有意義な回答や画期的なアイデアが得られた際に、リンクを生成して友人に送る事で回答(アイデア)を共有できるようになりました。

プロンプトで画像を使用(英語のみ)

テキストでの指示(プロンプト)と共に画像をBardにアップロードすることで、画像に関する情報を得る事ができます。
例えば建物の写真をアップロードしてその建物がどの様な特徴を持っているかなどを尋ねることができます。
現段階では英語サービスにのみ対応しています。

回答を素早く調整(英語のみ対応)

Bardからの回答のトーンとスタイルを5つの選択肢(シンプル、ロング、ショート、プロフェッショナル、カジュアル)から変更できるようになりました。
例えばBardにメルカリに出品する商品の案内文を頼んで回答が長すぎた場合、ドロップダウンのメニューから回答を短くすることができます。
但しこの機能も、現段階では英語サービスにのみ対応しています。

まとめ

今回紹介した新機能の実装によりBardは更に多機能で便利なAIツールへと進化しました。
対応言語の拡大によってグローバル展開も加速し、ますますその能力を高めると期待されます。
ChatGPTやマイクロソフトのBingが先行した会話型AIですが、いよいよグーグルの本格的な攻勢が始まったようです。
今後のグーグルBardの動きに注目ですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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