オープンAIが動画生成AIを公開
会話型AI「ChatGPT」を世に送り出し世界のAI開発の中心的存在となっているオープンAIが、突如動画生成AI「Sora(ソラ)」を発表して大きな騒ぎとなっています。
先行する動画生成AIサービスをまとめて潰しに掛かっている‼と言われるほどにSoraは脅威と見られており、その実装が待たれています。
今回は突如発表された革新的動画生成AI、Soraを紹介します。
動画生成AI「Sora」
2024年2月15日、オープンAI(OpenAI)は、テキストで指示するだけで最長1分の動画を出力できる生成AI「Sora」を発表しました。
Soraは日本語の”空”から取ったという話です。
当初は一般公開はせず、デザイナーや映画の制作者などだけにアクセスを許可し、各方面の専門家からフィードバックを受けるとの事です。
オープンAIはこれまで会話型AI「ChatGPT」に加えて、画像生成AI「Dalli-E3」、音声認識AI「ウィスパー」などを次々と開発してきましたが、これまで動画生成ツールに関するアナウンスはほとんど無く、突然のビッグニュースとなりました。
60秒の動画生成が可能
Soraの最大の特徴はテキストの指示だけで1分もの動画を生成できるという点です。
動画生成AIについては既に多くの企業が展開していますが、数秒の動画生成機能であるものが殆どです。
メタ社のEmu Videoは最長4秒ですし、ランウェイ社のGen2でも最長16秒です。
日本でも人気のPika1.0でも最初の生成は3秒程度でしかありません。
多くは有料のサービスですが、いきなり1分もの動画生成ツールが出てくるのであれば、これらのサービスは存在意義を無くしてしまいます。
これが「オープンAIが動画生成AIサービスをまとめて潰しに掛かっている」と言われる所以です。
実写と遜色ないクオリティ
オープンAIの公式サイトではSoraのデモ動画がいくつも上げられています。
女性が東京の街を歩いているものや、老人が歩いているもの、空飛ぶ鮫(?)の大群の動画など多岐に渡っています。
その画質はとても精巧で実写の様なクオリティを実現しています。
実写だけでは無く、アニメ調の動画も生成可能です。
動画の連結や重ね合わせといった加工にも対応できるとされています。
オープンAIによれば、Soraはユーザーのテキスト指示を理解するだけでなく、その指示した内容が物理的にどのように存在するかも理解しているとの事です。
Soraの弱点
オープンAIの発表ではSoraの弱点についても言及されています。
現時点では複雑なシーンを正確に生成することが難しく、人がクッキーをかじった後にその跡が残らないようなことが起こり得るそうです。
空間の把握についても左右上下などの理解にはまだ不安があるそうです。
ただこの点はあくまで過渡的な問題に過ぎず、今後開発を進める早い時期に改善されていくものと予測できます。
TikTokもストーリーもCM動画も作れる
Sora公開の影響は計り知れません。
60秒の高精度な動画が生成できるという事は、TikTokやインスタのストーリー動画はもちろん、TVのCM動画でさえ1人で作れてしまう事になります。
映画を実写で制作するにしても、絵コンテに変わって動画を作ってそれで細部を詰めるような形に変わっていくでしょう。
とんでもない費用を掛けて特殊効果を使った映像を撮っていたものが、今後はものの数分で作成できるかも知れません。
およそ動画を必要とする分野の殆どに影響を与える事になりそうです。
Sora提供開始の時期は⁉
オープンAIの発表によると、Soraでは性的な表現や暴力的な表現を含む動画の生成はできないように設定しているとの事です。
気になるのはやはり一般ユーザーへの公開時期ですが、専門家のフィードバックを受けて安全性の検証を経てから市場に投入するとアナウンスされています。
もっとも2024年には米国では大統領選挙があり、選挙への影響を考えると年内の投入を見送る可能性も無い訳ではないですが、オープンAIのこれまでの製品公開から提供開始までのスピードを考えると数ヶ月以内の提供開始も十分にあり得ます。
早期の提供開始が待たれます。
まとめ
オープンAIはSoraを汎用人工知能(AGI)を確率するための重要なマイルストーンと捉えています。
文章、音声、画像に加えて動画も生成できるとなると、AIでできる事がいよいよ全面に拡がります。
ChatGPTでやり取りした後で、結果に対して「動画にして」というだけで動画が作成されるような展開もそれほど先では無いでしょう。
Soraの今後の展開が楽しみですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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