グーグルの「Bard」が「Gemini」に移行して有料プランを開始⁉料金やメリット、デメリットを解説します。

AI全般
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グーグルの攻勢が本格化

2024年に入り、AIの世界ではグーグルの動きが慌ただしくなってきました。
2023年はオープンAIとマイクロソフトのニュースが目立っていましたが、ここにきてグーグルの攻勢もいよいよ本格化してきたようです。
グーグルではBardをGeminiへと移行し、有料プランを提供するという大きな動きがありました。
料金体系はどうなっているのか。また有料プランにするメリットはどの程度あるか、はたまたChatGPTの有料プランと比べてどうなのかなど気になる事ばかりです。
そこで今回はBardからGeminiへ移行し、有料プランの展開も始めたグーグルの動向を紹介します。

BardからGeminiへ移行

2024年2月、グーグルは生成AIプラットフォームの「Bard」を終了し「Gemini」に移行しました。
既に日本語版でもGeminiが稼働を開始しています。
同時にGeminiの上位機能が使えるGeminiアドバンスド(Gemini Advanced)のサービスが開始されました。
Geminiアドバンスドはグーグルが展開するサービスの上位プランである「Google One AI プレミアム・プラン」に契約すると使うことができます。
Geminiアドバンスドには最上級モデルであるGemini Ultra1.0が実装され、ユーザーはGemini Urutraをそのまま利用できます。
グーグルではグーグルの他のAI関連サービスも順次Geminiを冠した名称に変更され、Geminiブランドに統合される予定との事です。

3つのモデルがあります

Geminiは日本語を含む40言語に対応し、PCで利用する事ができます。
アンドロイド端末、iPhoneでも間もなく日本でも利用できるようになります(2024.02.11.時点)。
グーグルではGeminiとして「Gminiウルトラ」「Geminiプロ」「Geminiナノ」と3段階のモデルを用意し、用途によって使い分ける制度設計をしています。
無料版ではGeminiの中位モデルにあたるGemini Pro1.0を使う事ができます。

Geminiの性能

グーグルはGeminiの最上位モデルにあたるGeminiウルトラのベンチマークを公開しています。
そこではAI標準のベンチマーク(指標)に対して、32項目中30項目でGPT−4の性能を上回るとするデータが示されています。
また数学、法律、医学など57の科目を組み合わせて知識と問題解決の総合力を図るMMLU
と呼ばれる性能テストでも90%超というスコアを叩き出しています。
これは各分野の人間の専門家と同等以上の数値であり、グーグルは初めて人間の専門家を上回るパフォーマンスを示したと表明しています。
但し、現時点ではあくまでグーグル側の発表データによるものであり今後さまざまな検証がなされていくものと見られます。

有料版の料金

そのGeminiウルトラを使える有料版の料金はどうでしょう。
Google One AI プレミアム・プランは月額2,900円で日本でも利用可能です。
米国での料金設定は19.99ドル/月となっていて、ChatGPTの有料プラン(20ドル)を意識した設定である事が伺えます。
最初の2ヶ月間は無料で利用する事ができます。

有料プランのメリット

有料プランのGoogle One AI プレミアム・プラン(記事によっては単純化してGeminiアドバンスドと表記しているものもあります)に入るとどの様なメリットがあるのでしょうか。
主なメリットとしては以下の項目が挙げられます。

Googleアドバンスドが利用できる
・Geminiウルトラが利用できる
・最先端のパフォーマンス
・非常に複雑なタスクに対応
大容量2TBのグーグル・ドライブ
GmailやGoogleドキュメントなどのGemini連携(予定)

Googleアドバンスドが利用できる

まずプレミアム・プランに加入するとGeminiの高機能サービス「Geminiアドバンスド」が利用できます。
GeminiアドバンスはChatGPTのChatGPTプラスに相当するものです。
Geminiアドバンスにはグーグルの最新機能、サービスが随時実装されていきます。
現時点でのGeminiアドバンスの最大のメリットとしてはやはりGeminiウルトラが利用できる点でしょう。
Geminiの最上位モデル、Geminiウルトラ1.0を利用する事ができます。
Geminiウルトラは前述の様に、各分野の専門家と同等以上の成績を叩き出すという強力なモデルです。
これにより、Geminiアドバンスでは多数のプログラミング言語のコードを理解する事ができる他、コードを生成する事ができます。
またGeminiウルトラは複雑なタスクへの対応能力に秀でています。
テキスト、画像、コードなどの様々な形での入力に対応して、迅速に理解して対応できるように設計されています

大容量2TBのグーグル・ドライブ

実は大容量のデータ保管枠の獲得も大きなメリットと言えます。
GmailやGoogleドライブなどでデータを使っている人は多いと思います。
個人の場合、Google フォト、Google ドライブ、Gmail 共通でデータ容量が100GBまでは無料ですが、それ以上になると有料のプランを契約しないといけなくなります。
200GBまでのスタンダードプランだと年額3,800円(月額約316円)の費用がかかります。
AIプレミアム・プランを契約した場合、この10倍の容量(2TB)を使う事ができます。
動画や写真など保存したいデータが多くて困っている人には魅力的なメリットと言えるのでは無いでしょうか。
またAIプレミアムプランでは、最大で5 人のユーザーとデータ容量枠を共有する事も可能です。
保存容量を共有しても、写真やファイル、メールの内容が他のメンバーに閲覧される訳ではありません。
単純に容量を共有できるだけなので安心です。

GmailやGoogleドキュメントなどのGemini連携(予定)

有料プランではGmailやGoogleドキュメントなどのサービスをGeminiと連携する機能が実装される予定です。
これによってGmail やドキュメントでの文書作成をサポートしたり、招待状や履歴書の作成など、原案から仕上げまでサポートする事ができます。
あるいはスライドでオリジナル画像を作成したり、単語を入力するだけでプレゼンテーション用の映像を作成できるようになるとグーグルが発表しています。
グーグルのビデオ会議サービスであるGoogleミートでも画質向上やノイズの低減、照明の修正などにより動画の品質を飛躍的に向上させるとの事です。

ChatGPTの有料プランとの比較

有料プランに加入する場合、ChatGPTプラスとGeminiアドバンスドとの
どちらを選ぶべきかという問題を考えます。
もちろん予算に余裕のある人は両方加入して使えば良いと思いますが、それなりの額になりますからね。
2024年2月時点で両者を比較してみましょう。

回答の速度

まず回答のスピードについては一般的にGeminiウルトラの方が早いと言えそうです。
GPT-4が高速タイプライターの様に回答を表示していくのに対して、Geminiウルトラでは何行も一度に表示してくるので、体感としては非常に早く感じます。

画像生成

画像生成に関してはどちらも高精度な画像を生成してくれますが、現時点ではGPT-4の方が精密という声が多いようです。
ただ画像の質感などには好みもあるので一概には言えない所です。

コード生成や複雑な問題への対応

コード生成や複雑な問題の回答については、多くの記事や動画などで検証が挙げられていますが、判断がわかれている様です。
当然得意不得意がそれぞれにあるので一概には言えない部分です。

GmailやGoogleマップとの連携

GmailやGoogleマップとの連携はGeminiが大きなアドバンテージを持っている部分です。
回答にGooleマップを使って表示する様な機能はグーグルならではの事です。
YouTubeの動画との連携など今後もさまざまな機能が期待される部分です。

GPTsやGPTストアは無い⁉

独自のGPTを作成し、他の人と共有できるGPTsの様な機能は現段階ではGeminiにはありません。
当然今後開発が進められて行くと考えられますが、この点についてはChatGPTに優位性があります。

まとめ

BardからGeminiへと移行し、Geminiアドバンスの提供も開始された事で、グーグルのAI戦略の全容が見えてきました。
今後も新しい機能が続々と投入されてChatGPTと激しい競争を繰り広げる事になるでしょう。
結果として素晴らしい機能がたくさん生み出される様になれば、ユーザーにとっては大きな利益ですし、期待したい所ですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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